雑誌ダ・ヴィンチの広告を見て読みたくなった小説です。
扶桑社海外文庫の記念すべき1,000作品目。
おれの中の殺し屋 ジム・トンプスン 訳=三川基好
海外の小説は名前が覚えられなかったり、光景が頭に浮かび難かったりと、
かなり苦手なんですが・・・一気に読めました。(と言っても3時間)
50年程前の作品ですが、古さを感じさせないしホント面白かった。
この作品はアメリカの作家ジム・トンプスンの代表作なんだそうで、
昔は「内なる殺人者」(絶版?)という題で出版されていたそうですが
今回は三川基好さんの新訳で新たに登場。という事らしい。
テキサスの田舎町のしがない保安官助手、ルー・フォード。
愚か者を装う彼の中には、じつは危険な殺し屋がひそんでいた。
長年抑えつけてきた殺人衝動が、些細な事件をきっかけに目を覚ます。
彼は自分の周囲に巧妙な罠を張り巡らせるが、事態はもつれ
からみあいながら、加速度的に転落していく・・・(本体裏より)
現代ノワールの金字塔という触込みなんですが、どっちかっていうと
クライムノベルの方がピッタリ来る感じがする。(もしかして一緒?)
あ、ちなみにクライムノベルって言うのは犯罪小説と言う意味だそうで、
特に犯罪者側から描いたものを言うらしいです。
この作品もルー・フォードが語り手になっています。
1950年頃のアメリカが舞台なのに、現代に通用する内容・・・
と言うよりも、発表した当時は問題作だったんじゃないのかな?
なんとなく「バトルロワイヤル」問題を思い出した。
ルーは何故こんな人間に育ってしまったのか?
家庭環境に問題がなかったとは言えないけど、この人の場合は・・・
天性のものかも・・・恐ろしい男ですよ。
牢や精神病院に入れられて、精神攻撃をされても全然堪えてないし
逆に堪えてますよ〜って演技をするような奴です。知能犯って感じです。
ストーリーが進むにつれて追い詰められていくはずなのに
更に人を殺したり、殺す計画を立てたりできる神経が凄い。
自分の気に入っていた人間でも躊躇なく殺せるのも凄い。
嫌悪すべき人種なのは確かなんだけど・・・感心しっぱなし(笑)
やっぱり文章が彼の語り口調で書かれているからかなぁ?
でも巻末の解説でもスティーブン・キングが書いてる通り、
確かに感情移入は出来ても同情は出来なかった。
ルー視点なので、彼の周りの人間が陰で何をしているか等の情報はナシ。
・・・が、「ん?それって何か嘘くさい。騙されてんじゃない?」
と思うところがありまして・・・それを嘘だと仮定して考えると
その後の周囲の変化も辻褄があって・・・あ〜やっぱりね。という展開に(笑)
なので先に最終章を見たらダメですよ〜。
ところで、気になる文章があったんですけど
「その時彼女の体の下の床に水たまりができているのに気づいた。」
腹を思いっきり殴られた後なので気になったんですよ。
これってアレかな?でもその後なんにもその事に触れないし・・・
やっぱり違うのかなぁ?でも水ってわざわざ・・・深読みしすぎなのかなぁ?
あと本編に全然関係ないですけど
「帽子をあみだに被る」の意味がわからなかった(笑)
これって知ってて当然なんでしょうか?
いや、普通に辞書には載ってましたけどね?
オギは使った事もなければ聞いた事もなかったんですよね・・・
長期間の放置から復活(?)
でも特撮と渡部秀の話しか
してない
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